
一軒のお家で30本以上あります。
百年モノから、まだ焼けていないキレイなモノまでイロイロ。

中抜き、荒間、縦繁、横繁、雪見。
場所もイロイロ。
間仕切り、廊下、サッシ窓。
通常、張る紙の種類で、使用する糊を使い分ける方が多いと思いますが、
自分は、障子の場所によっても糊の濃度や、種類を使い分けます。
例えば、サッシ窓と廊下の場合、廊下は雨に濡れませんが、
窓が開いていた場合、急な雨降りで濡れる可能性があります。
張り替えたばかりの紙が、雨で濡れてめくれてしまったら・・
お客様はショックですよね。
それを少しでも防ぐために、窓際は強い糊や調合糊を使います。
通常糊との、はがれ具合の違いも、実験にて確認しています。
ただ、あまりの豪雨には、負けちゃうと思いますけど。
さて、
百年モノは、やはり所々傷みがでてきています。

お客様が、「古いからねぇ、もう、このままでいいよ。」と、言われましたので、
「わかりました。」と。
でも、作業場に帰ってやっぱり違和感が。

いかにも直しましたでは失礼なので、わからなく復元します。

桟用の木を現状の太さに削り出し、はめ込み接着。
塗料は、一般的なオイルステインは完全乾燥が遅く、すぐに紙張りできない為、
オイルを含まない染料2色を使用。
まず、ベース色を調色して塗装。
乾燥後、他の桟の状態を観察しながら、ウェザリング色を調色。
うすーく希釈してから塗り重ね、色を合わせていきます。
その後、馴染ませる為、ウェットティッシュで軽く拭き取り。
オイルを含まない為、すぐ乾燥して、紙張りに進めます。

復元終了。
お客様には、「直した場所が全然わからないよ♪」
と喜んで頂いたので、今回復元してよかったです。
ただ後から、「復元させて頂きますよ。」との、
確認はしっかりするべきだったな。
と反省。
建具はお客様の持ち物なので。
(色塗り中、あれ、やってよかったかな?と、ちょっとドキドキ小心者でした。)
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