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03 2018

絹シケ織物 張替

いつもお世話になっている、
建築屋サンからのご紹介。

30年モノの襖紙張替。
張替面数は、20面以上。
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既存の紙は、東雲紙布という伝統工芸織物。

現状は、良好。
30年モノでも、破れナシ。
経年変色も、キレイに全体焼け。
さすが、伝統工芸品。

お客様も大切にされていた様で。

表面にポツポツ見えるのは、
ゴミではなく、植物繊維のホツレ。
独特のアクセント感。
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張替が勿体無い気がしつつ、作業。

部分的に見た紙の状態。
一般的織物とは、全く異なる。

紙でもなく、
布でもなく、
www 草。

天然植物繊維の為、
感触は、草そのモノ。
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今回、
片面張替も有り。

ゴツイ繊維上に茶ウケ張の為、
剥がれない様、高粘度に糊調整。
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ヘラが、垂直直立状態維持の硬さ。
刷毛で糊を茶ウケに塗るのではなく、
刷毛の糊を茶ウケに薄くこそげ付ける為、
硬くてもOK。

糊付け範囲は、
茶ウケの外周に、2mm程のラインのみ。
余分な糊は、
後々、アクやシミの原因となる為、
注意が必要。

糊は、煮糊のみ使用。
クロス等に使用される合成糊は、
紙メーカーさんから使用禁止の指示有り。
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今回張る、絹入り高級織物。
通称、絹シケ。
コチラも、伝統工芸品。
お値段も、さすがな感じ。

裏打ち紙が無い端部分は、
ガーゼ感。
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より気を使う作業時は、
作業リズム+モチベ重視の為、
下地調整後、一気に張替。

そして、完了。

普及品織物より、馴染む時間が長い。
張替丸1日後の方が、締まって見える。
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うん、イイ感じ。
糸が、光に無駄に反射せず、上品。
セレブ感というより、お嬢様感。
は?

横糸の絹玉糸がアクセント。
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左側: 絹シケ織物。
右側: 普及品織物。

比較すると、
絹シケのやわらか感がよくわかる。
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納品時、
お家のワンちゃんが喜んで、家中走り回り。
何度もワンちゃんスペースから脱走しては、全力疾走。

終始、ドキドキしっぱなしで建付け調整。
お願いだから、キズつけないで~。

お客様も、
ワンちゃんのはしゃぎっぷりに大変だったご様子。



・・無事、納品完了。


・・・疲れた・・よかった・・疲れた・・よかった・・・。


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