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15 2016

ダンボール襖の反り修正

これは、襖をフラットな作業台に寝かせた図。

手前の角が、2cm程の不陸。
4つ角共こんな感じに、エビ反り状態。
作業台の上で、襖がクルクルと回転できる程。

通常の本襖は、骨組みが木材。
この襖は、骨組みは無し。
芯材がダンボールのダンボール襖。
框と引手は、柔らかい樹脂製。

別名、使い捨て襖とも呼ばれ、
建築コストダウン目的の集合住宅や、
一部建売戸建が主なニーズ。

このタイプは、張替お断りの、
建具屋さんや表具屋さんも多々。
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なぜ、開閉できない程、反るのか?
それは、骨組みが無い下地に重ねて張替するから。
紙のテンションに、芯材が耐えられない事で発症。

この襖の場合、3枚重ね張り状態。
3倍のテンションが4隅に掛かる計算。
1P_20160114_204732_HDR.jpg


引手穴の断面。
ダンボールそのまま。
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反りを解消するには、
テンションを解放するしか方法はナシ。
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基本的にこのタイプは、分解できず。
最終下地が出るまで、ひたすら、紙除去。
紙を剥がすというより、コソゲ取る感じ。
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テンション解放後。

ここから、自分が紙張り作業開始。
ただ、前の職人さんと同じ張り方をすれば、また反りが生じる為、
この襖専用の張り方が必要。

襖の形は、長方形。
故にテンションは、表裏の4隅の対角上に最も掛かる事から、
それらの張力バランスを均等に分散する手法が、最適。

通常、本襖の場合、カッチリとした仕上げイメージ。
こちらは、フニャっとした仕上げイメージ。
うん、説明がよくワカリマセン。

とにかく、
5P_20160114_203943_HDR.jpg


紙張替時に、
その都度職人さんが、以前の紙を除去していれば、
ここまでの反りが生じる事は無かったはず。

その上、このタイプの襖に対する張り方を考える事は、
自分のスキルも上がっちゃうのになあと、
思っちゃうのは自分だけ?




(そこまでやってられない、というのはナシの方向で。)

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