fc2ブログ
12 2015

ワーロンシート0.3mm

今回は、普通の障子紙からワーロンシート、いわゆる
プラスティック障子紙への張替です。

このワーロンブランドのプラスティック紙には、色々な種類・厚みがあり
お客様の猫ちゃんたちのいたずらにも、十分に耐えうる条件を考慮して
少し厚めの0.3mm厚の雲龍柄入り選択となりました。
例えると、文房具の下敷きみたいな質感ですかね。

お客様とご相談中、
一匹の猫ちゃんがトコトコと部屋に遊びに来たかと思うと、
破れて紙がめくれている障子の前へちょこんと。
おもむろにめくれている紙をピリーっと引っ張った後、
またトコトコと部屋から出て行かれました。

お客様の「いつもあんな感じなの。」と笑ってみえた表情と
猫ちゃんのすました表情が印象的でした。

さて、作業ですが、框枠にほとんど汚れやキズが見当らない程、
キレイな障子枠ですので、慎重に下地処理を進めていきます。
爪痕箇所は、アシレックスにてツルツルに研磨。
P1010294_convert_20150111184832.jpg

次に、プラスティック特有の巻癖を伸ばしておきます。
時間のない場合や気温が低い場合は、温めて伸ばす方法も用います。
ちなみに、一般的な和紙障子紙は温めると縮みます。
P1010295_convert_20150111185046.jpg

このワーロンシートは、和紙を塩ビシートでサンドイッチした構造の為、
通常の糊では剥離してしまいます。
そのため、強力両面テープにて施工します。
ワーロン専用の両面テープがあるのですが、接着が弱く分厚いので、
なるひ屋では、別の極薄強力両面テープを使用します。
仕上りと耐久性がかなり違います。
ただ、本当に強力なので次剥がすときは一工夫いりますけど。
P1010296_convert_20150111185158.jpg

伸ばしておいた紙を張った後、圧着して完成。
爪でカリカリ引っ掻いても、スルスルと滑ります。
指先で弾いても、太鼓の皮のように頑丈です。
すまし顔の猫ちゃんたちが、ちょっとびっくりするかも。
P1010297_convert_20150111185514.jpg

切り口はこんな感じ。
テープ跡は全く見えません。
P1010299_convert_20150111185640.jpg
ちなみに、紙が分厚く硬く定規が滑るため、
張ってからキレイにカットする事が非常に困難な事も
この紙の特徴です。
なので、一本一本事前にぴっちり形に合わせて、カットしてから張ってあります。

納品後、お客様にも大変喜んで頂きました。
有難うございました。
今度は猫ちゃんのどんな表情に会えるかな。




スポンサーサイト



0 Comments

Leave a comment