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12 2018

障子張替ポイントちょこっと

いつもお世話になっている、畳屋さんからのご紹介。

お客様は、
鎖帷子や鎧等の骨董収集がお好きなようで。
そのお宅にて、
近年、希少な中抜き&框塗装障子。

塗料は、カシュー。
漆によく似た高光沢塗料。
漆科のカシューナッツの木の油が原料。

お客様の話では、60年モノとの事。

年代物建具の紙張替後、
より建具がキレイに見える、
作業ポイントをちょこっと。
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①桟上のホコリ落とし。

水拭き前、
まず、桟上のホコリやゴミを、刷毛でしっかり除去。

水拭きを先にしてしまうと、
ホコリが木目に入り込み、
桟の黒ずみを定着させる原因となる為。
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②桟清掃にはガイドを使用。

水拭き時、
絞った雑巾を定規や割り箸等に、巻きつけて清掃。

汚れが溜まる入隅もキッチリ清掃可能。
手や指も疲れにくい。
特にこびり付いた糊汚れに有効。
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③框部分の養生。

今回の様な框塗装の場合、
糊付け時、糊が框にはみ出る可能性有り。

通常、その都度雑巾で拭くと思われ。
はみ出た糊の完全拭き取りは、至難。

そこで、
しゃくりから0.3mm控えてマスキング養生。
およそ、髪の毛1本の幅くらい。

はみ出た糊を気にせず、紙カット後に養生を除去するだけで、OK。
手に汚れもつかず、更に細かなホコリも吸着してくれる。

ただし、木肌保護の為、マスキングは必ず弱粘着モノで。
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④張替完了。

乾燥中。
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上記の作業を加えるだけで、
単に紙の張替えだけより、、クオリティは格段に上がる。
特に、糊汚れは徹底的に落としたいポイント。
変色の原因なので。

あと、腰板は硬く絞ったウエスで、
やさしく木目方向に水拭き。

細かいキズが消え、汚れや色焼けが平均化。
その上、表面の肌荒れが整えられる。
結果、乱反射が押さえられ、明るく見える。

効率良く手間を掛ける事は、楽しい。
クオリティが、何倍にもアップするから。
結果、地道な評価にも繋がる。

一見、余分に思える作業を、
如何にプロセスとして組み込めるか。
これは、常に考えていたいと。

納品時、建具に顔を近づけて、
お客様が「ほぉー・・・。」の一言。

そのまま、暫く固まってしまわれるのを、
横目でチラ見が好き。





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